こたつでオナラをするの、辞めてくれませんかっ

この世には2種類のオナラが存在する。1つは音のする匂いの少ないオナラ、もう1つは音のしない臭いオナラだ。

1つ目のオナラは匂いが少ない。音が出る原因は、鈴虫が羽をこすり合わせてチリリリリリと空気を揺らすように、右尻と左尻の皮膚がこすり合わさることにある。元々は臭いオナラも、臭い成分がお尻に付着し、ろ過されて少し綺麗なオナラと進化する。だから音が出たほうが匂いが少ない。音の不快さは拭えないが。

2つ目のオナラは臭い。これは先程とは違い、お尻とお尻とこすり合わさないことによって、匂い成分が100%残るからだ。音の不快ダメージを与えないものの、音が出なかったターン、匂いが強烈になる。学校の授業中など、音をだすことが望ましくない場面で活躍する効果である。これはコントロールすることが可能な効果で、音を出したくなければ右尻か左尻かに重心を乗せて体を傾けて、お尻合わせを解除すればよい。

オナラについて復習したところで本題。

こたつでオナラするの辞めてくれ

こたつの上には蜜柑の揺り籠が座り、そこに潜り込んでいるのは私の父である。彼は色々体に悪いものを食べているから、そこの尻から出てくるオナラも色々体に悪いガスだ。

尻の摩擦係数を高めているのだろうか。紅白歌合戦を見ながら尻を掻いてパフィーを応援している。

パフィーの懐かしのメロデーが始まり、2曲目に移り変わる時だった。

それは「はいよっ!」と合いの手を打つように差し込まれた、駄音だった。

お尻100%こたつの中でヌクヌク温まっているので、そこから放たれるオナラは一気にこたつ一面に広がる。こたつは半密閉なので、私の足を突っ込んでいる布の網目を拭って、空気中に頭を出し、私の鼻にまで到達する。

なんなんんだよ、この匂いはっ!?

足の匂いより酸っぱく、頭の匂いよりも汗臭く、納豆よりも納豆菌を含み、母の愛よりも深い匂い。オナラには2種類あると言うたが、この世にはもう1種類あり、「複合型」という奇行種も存在するのだ。

パフィーの歌唱が終わるまで続いたその匂いに反応し、怒りを拳に溜めた。父に一言申そうとこたつから起こり上がったときに聞こえたのは、同じ破裂音だった。

それは私の尻の産声であった。怒りを漂わせた握りこぶしをこたつに納めた。

今年も終わる。

ツイッターやってます